栄養科のご紹介
西砂川病院栄養課の特色(給食・栄養改善等)
開院して30年間、地域の病院として親しまれて来ました。
当院では、2006年の栄養管理実施加算制度の開始と同時に、院内にニュートリションサポートチーム(NST)を立ち上げ、適切な栄養管理に積極的に取り組んでいます。入院患者様も年々高齢化し、メンタル面や嗜好、機能障害等によって食事摂取量が減少し、栄養状態が悪化するケースが問題視される中、患者様本人や御家族の意向を踏まえつつ、栄養改善方法を探りだしています。患者様のメリットは何かを考え、病院全体で対応していく方法を当院のNSTと位置づけています。
さらに、パソコンにより各科のネットワーク化を図り、患者様の情報を共有しています。入院日を把握し、入院時スクリーニングを行い、病状、身体機能、栄養状態から患者様本人に最も適合する食事内容を提供できるよう努めています。入院初日から3日間は管理栄養士、看護師により、味、形状、量、回数、補助食や補助食器の必要性、摂食状況の観察等を行い、医師の判断により食事を提供しています。
また、個人の栄養摂取量を把握するため、病棟に「個人摂取量表」を設置して、毎食記録しています。記載は患者様の身近にいる看護師や看護補助、食事介助者等から情報収集できるようになっています。さらに、「連絡ノート」を設け、患者様の食事の課題等について、素早く話し合えるようになっています。連絡ノートを通じて、必要な情報を適切に共有できる体制が構築できたことで、給食の改善が図られています。
一方、病院全体での一体感を持った治療を実現するため、平成23年7月1日より給食業務を委託から直営方式に変更し、安定した運営を行っています。
平成23年度 東京都特定給食施設等栄養改善知事賞を受賞しました。
栄養改善例の具体例
NSTシステムについて
当院では、入院時スクリーニングとして、外来で身体測定(身長、体重)血液検査、診察を行い、病室に案内した後、申し送り書を確認し、食事状況の聞き取りを行っています。入院初日から3日間の間に患者様に適合した食事を見つけるため、摂取時に立会い、口腔内のトラブル、嚥下機能、摂取量等の確認をして、食事を提供しています。さらに、必要に応じて、栄養剤を含めた1~2回食、分量調整食、それらを補う補助食等を設定し、個別的な対応も行っています。
食種は次項通りで、食形態は形食・きざみ食、極きざみ食、ミキサー食(ゼリー状・ペースト状)、主食は、軟飯・粥(全・五分・七分・粥ペースト)・パン粥等を選べるようになっており、患者様が食べやすいように配膳スケジュールを組み、食べきることができる分量に設定しています。(おむすび、うどん等も対応)
さらに、摂食不良の原因となりうる、嗜好による禁止食についても細かく対応しており、喫食率の向上に寄与しています。また、「嚥下訓練食」を3種類導入し、少しでも経口摂取が可能になるように支援しています。
現在、院内会議として、褥瘡会議、リハビリカンファレンス、NST会議等が定期的に開催されていますが、このほか、各部署から随時、NSTの対象となりうる患者様の情報が集約される環境が整ったことで、より迅速で適切な対応が行えていることが大きな特徴です。
食 種 名 | 食 種 名 | ||||
一 般 食 | 常食 | 治 療 食 | 心臓病食 | ||
全粥食 | 腎臓病食 | ||||
五分粥食 | 肝臓病食 | ||||
ミキサー食 | 糖尿病食1200 | ||||
流動食 | 糖尿病食1400 | ||||
嚥下訓練食 | 貧血食 | ||||
濃厚流動食4種 |
きざみ食は、おおよそ7mmの色紙切りに切った後、調理し、むせがある場合はとろみをつけて嚥下を助けています。傾き食器や涙型のスプーン、曲がりスプーン等に自助食器を活用する一方で「嚥下訓練食」を導入し、少しでも経口摂取が可能になるよう支援しています。
月1回開催されるNST会議では、医師、看護師、管理栄養士、理学療法士、看護助手、必要に応じて臨床検査技師、薬剤師の意見を交え、栄養状態の改善方法について協議しています。また、各病棟で開催される褥瘡委員会に参加し、栄養面から褥瘡を改善する方法など助言しています。

